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ローライフレックス AUTOMAT MXとはどのようなカメラなのか?

2016年6月17日

ヴィヴィアン・マイヤーの写真集を見て彼女が使っていた同型のローライフレックス 二眼レフカメラを引っ張り出した。Rolleiflex AUTOMAT MXはRolleiflex Xにフラッシュバルブ用のM接点を追加装備しレンズの後ろに反射防止枠が付けられた改良版で1951年に発売された。開発はローライ社だが、そもそもは1920年ドイツのハンブルグでフランケ&ハイデッケ(Franke & Heidecke GmbH )として創業。社名は二人の創業者の名からとった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

手元にあるRolleiflexの下側のレンズ周りにはその “FRANKE & HEIDECKE” が刻印されている。

そもそもローライフレックスは1921年に販売された三眼レフステレオカメラ、ハイドスコープを改変し6×6cm判二眼レフカメラ「ローライフレックスオリジナル」として1929年発売されたカメラだ。6×6cm判カメラとしても二眼レフカメラとしても世界初の製品であり、斬新で実用的なカメラとして世界中を席巻することになる。

 

さてローライフレックス AUTOMAT MXだが、私のはシリアルナンバーから確認するとカール・ツァイス/テッサー(Tessar) 7.5mm F3.5仕様で、正確に記すなら「Rolleiflex 3.5 A Automat Rolleiflex Model 4 Rolleiflex MX (type 1)」ということのようだ。そして日本での呼び名は「ローライフレックス Ⅴ前期型」ともいうらしいが分かりづらい…。

 

申し上げるまでもなく2つのレンズは上下に8の字、あるいは無限大のマークのように配置されている。なお “AUTOMAT” とはフィルム装填が全自動であることを意味する。

ローライフレックスオートマット(1937年発売)に搭載されたのが最初だが、リーダーペーパーをスプールに巻き込み、カメラの裏蓋を閉めてフィルムがストップするまで巻き上げると自動的に1コマ目がセットされるというフィルムの装填機構の中では画期的であり最も進歩した仕組みだった。

 

カメラのサイズだが突起物を除いた本体は約幅 76 × 高さ140 × 奥行 95mmほどだが、ファインダーフードを開ければ高さは約200mmほどになる。なお重さは970gほどだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

上のレンズはハイドスマート75mm F2.8が使われているが、ビューレンズでカメラ内に45度の角度に置かれた反射鏡で上部のピントグラスに像を結ぶようになっている。撮影者はその上に位置するレンズで詳細なピント合わせをすることになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ただし左右反対の逆像を見ることになる。なお現在の一般的なカメラのようにカメラの後ろから覗くことができるスポーツファインダーとしても使えるがこちらは上下象も逆になる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

下のレンズが撮影用のレンズでカール・ツァイス テッサー 75mm F3.5だが、別途カール・ツァイス オプトンテッサー 75mm F3.5あるいはシュナイダークセナー75mm F3.5が使われているモデルもある。シャッターを通り、カメラ背面内部に位置するフィルムに像を感光させる。ただしレンズ交換はできない。

またフィルムは120フィルム、通称ブローニーフィルムと呼ばれているもので6×6cm判で12カットの撮影ができるがその写真は正方形の写真となる。無論モノクロフイルムだけでなくカラーフィルムも使える。

 

ヴィヴィアン・マイヤーではないが、屋外に持ち出す際にはストラップを付け首から下げて使うことになる。そして絞りもシャッタースピードもマニュアル設定だがカメラの背面には詳細な設定のためのガイド、EVテーブルが貼られている。季節や天候、高原なのか街中なのか、日中なのか朝夕なのか…などシーンを読み取って適切と思う絞りおよびシャッタースピードをレンズ左右にあるダイアルでセットする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

シャッターを切った後、巻き上げクランクを時計回りに回すとフィルムが一コマ送れ、クランクを反時計回りに半分戻すと次のシャッターがチャージされる仕組みだ。したがって連写には適していないし、そもそも銀塩写真はデジタルカメラとは違った価値観を持ってシャッターを押すことになる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それは1本で12枚しか撮れないこともあるし、コスト面を考えればむやみにシャッターは切れない。自分で現像からプリントまで実践する人は暗室も含めてそれなりの設備と投資が必要になるし、写真店に持ち込めば当然現像代とプリント代がかかる。その点デジタルカメラでは撮影枚数がいかに多くてもバッテリーが減るぐらいでコストには関わってこないからまずは思いついたら何でも撮ってみようという気持ちになる。ある意味それがシャッターチャンスを逃さないひとつの秘訣だとも考えられている。この一瞬は2度と回ってこないからと…。

 

それは銀塩カメラだって同じだが、フィルム装填に手間もかかるし必然的にシャッターを切る重みが違ってくる。結果はどうあれ時間的という意味ではないが十分考えて1枚の写真を撮るといった感じか…。

その撮影も前記したようにレンズは変えられないしズーム機能もない。接写用レンズ「ローライナー」とかアダプターレンズ「ムター」といったアクセサリーもあるがAUTOMAT MXでは現在のような望遠の撮影は望めない。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

要するに現在の感覚からすれば「手間のかかる」「制約の多い」カメラだということになる。

現在のデジタルカメラはなくてはならないツールになったが反面面白味に欠ける。1枚の写真を考えて考え抜いた上でシャッターを切るというには相応しくないのだ。無論銀塩カメラは撮影しても現像あるいはプリントするまで分からない。

ということでまったくもって贅沢な話しだが、デジタルカメラのスタート期から仕事に関わり、ずっとその進化と一緒に歩んできたが正直少々飽きてきた…(笑)。

 

ローライフレックスだけではないが、いわゆるクラシックカメラは手がかかるもののその豊かな時間軸の中で粛々と撮影を楽しむのが粋というものだし喜びとなる。特にローライフレックスの二眼レフカメラは1枚の写真を撮るにも作法があり、そこから使用者独特のリズムが生まれ心地よい時間に浸れる…といった物言いができる資格はまだまだ私にはないが、楽しんでみようと思っている。

 

 

Rolleiflex AUTOMAT MXの正面。上下に列んだ2つのレンズが印象的だ

ファインダーフードを開けた姿

ローライフレックス、2つのレンズの仕組概念図。ローライフレックス3.5のマニュアルより

ビューファインダーには上下はそのままだが左右逆に写っている

絞りとシャッタースピードは2つのレンズの間にあるダイヤルで設定。それぞれを回すとビューレンズ上部分の窓内に数値が回転する

シャッターはフロント右下にある。写真はロックされた状態

背面に貼られているEVテーブル

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