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遙かなる記憶

タイミングが外れた12年間

僕らの子供時代はまだ戦後を引きずってはいたものの経済成長の助走といった時代だったのか、学校の設備も少しずつではあるがよくなり充実していったように思える。

しかし僕は不思議なことにまるでエアポケットのようにそうした恩恵から外れて成長した。

 

小学六年生のとき、教室にテレビが入ることになった。

記憶が確かなら、生徒たちの親から僅かながらも寄付をつのったように思う。

まだ自宅にテレビがなかったから、これはなにか楽しいことが起きるに違いないと期待したが、試験放送を一度教室で見ただけで卒業してしまった。

 

中学に入学したとき、まだ体育館がなかった。体育の先生は

「体育館があれば雨でも運動できるんだぞ。素敵だろう!」

と息巻いていたが、運動嫌いの僕には迷惑な話だった。

しかし体育館ができるという話しは予定通りには進まず、僕らは着工するかしないかのときに卒業した。

 

高校には体育館があった。しかし先生たちの話しによれば、これからの時代は高校にもプールが必要だから是非我が校にもプールを実現しようと運動を始め、PTAもそれに賛同したらしい。

しかし泳げない僕には馬鹿らしい目標に思えた。

 

テレビにも体育館にも間に合わなかった僕だから、プールが出来ないうちに卒業したいと神様仏様に念じた。授業で水着になるなどまっぴらだった。

その御利益があったのか、着工もしないうちに卒業することになった。

 

 

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