External links

舅と嫁

僕の母は舅にいたく虐められたという。

父の兄妹は男3人、女が2人だったが正月とか法事などで兄弟が集まると母も含めた嫁たちは亡くなった舅がいかに辛く当たったかという話しに花を咲かせた。

 

舅と同居はしなかったものの私を産んだ母は翌日から日々の身の回り仕事をやらされたといつもこぼしていた。

そして数々の陰湿な虐めを受けたという。

とにかく両親の喧嘩の原因のほとんどは舅のことだった。

そんな舅でも父からすれば実の母だ。

父としては自分の母の悪口を言われているようで嫌だったのだろう...。

 

だから母は僕が少年の頃から冗談半分に「ジュンが結婚したらお嫁さんを大事にするよ」と口癖のようにいっていた。

僕が29歳、妻が22歳のときに青学会館でささやかな挙式をあげたが、母は大層喜んでくれた。

「お前には過ぎた嫁さんだ。大切にしないと罰が当たるよ」

これまた母の口癖となった。

そして「チエコさん、チエコさん」といつも明るく接してくれた。

 

世間では舅にいびられたのがトラウマとなり、自分の息子の嫁を知らず知らずにいびるような母親もいるという。

しかし僕の母は自分が辛い思いをしたことを息子の嫁には味わせてはならないと考えていたらしい。

 

そういえば両親が健在の時代、正月に両親と女房そして私の4人でよく京都にいった。

有名な旅館で食卓を囲んでいると仲居さんが僕のことを「息子さんは養子さんなんですか」と母に聞いたこともあった。

それは僕より女房が父と母に馴染んでいたからだという。

そういえば、酒を嗜まない僕に代わり、父と杯を交わしていたのは女房だった。

父も「息子とは酒が飲めないが嫁さんと一緒に飲めるとはなあ」と喜んでいた。

だから僕ら夫婦はありがたいことに舅とのもめ事は一切なかった。

 

 

・記載の製品名、企業名などはそれぞれ各社の登録商標または商標です。
・記載する情報の正確さならびに安全性について、当サイトは保証いたしません。
・特に明記のない場合の転載はご自由ですが、出所出典および当サイトのURLを明記してください。

© 2003 - 2017 Macテクノロジー研究所