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スキャン時間と容量はどのくらいになりますか?

この「Macintosh 100の非常識」に登場する実例はそのタイトルからして愉快な話よりカチンときたりする話題を取り上げる場だが、客商売だからして声を張り上げて喧嘩や文句をいう訳にはいかない。しかし正直、アホらしくなってくる問い合わせもあって笑い話では済まされないあれこれも多かった。

 

ある日、電話が鳴ったので「はい、コーシングラフィックシステムズです」と受話器を取るといきなり名乗りもせず「え~ちょっと聞きたいんですが...」と男の声。

 

「どんなことでしょうか?」というと「ColorMagicianでA4サイズの原稿を300dpiで入力したいのですがフルカラーモードだとスキャン時間と容量はどのくらいになりますか?」という。

ちなみにColorMagicianとは私の会社の人気ソフトウェアで渋谷のスリースカンパニーという会社から販売していたカラースキャニングソフトである。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

まだまだMacintosh向けの純正カラースキャナでコンシューマー向け製品は登場しておらず、エプソンがPC-9801用として開発販売していたGT-4000というフラットベッドカラースキャナをMacintoshで利用できるようにしたアプリケーションだった。

 

私は当然のことだが相手を知らずして適切な回答は申し上げられないからと「失礼ですがどちら様ですか」と聞いた。

個人ユーザーなのか、企業利用なのか、あるいはすでに購入済みの方なのか、これから購入したいが...という相談なのかを知っておく必要があるからだし、そもそも名前も名乗らず人に物を聞こうとするのは無礼である...。

 

電話の向こうの男は「!@#%^&(_))* の (&*^%^と言います。Macintoshの販売店です!」と答えた。

私はたたみ込むようにして「大変失礼ですがイメージスキャナ...GT-4000はお持ちですか」と聞くと男は悪びれることもなく「はい…ColorMagicianも持ってます」と答えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相手はどうやら同業者というか業界関係者である。これまた喧嘩を売るわけにもいかないからと極力平静を装って「環境が揃っていらっしゃるのなら実際におやりになったらいかがですか」と返事した。

 

一般ユーザーならまだしもハードウェアやソフトウェアを販売する立場にあるなら顧客からさまざまな質問や相談を受ける立場に違いない。そして無理のない範囲で知識とノウハウを溜めていくからこそお客様から頼られる存在となるのではないか。

相手は少々済まなそうに「でも時間がかかりそうだし面倒なので!!」という...。私は正直プッツンしそうになった(笑)。

 

ところで「A4サイズの原稿を300dpiで入力」など、今では特に明記することもないだろうが当時はMacintoshも非力、インターフェースも最初期はシリアル接続で読込速度はメチャメチャ遅かった。したがって後にSCSI 接続になるまではオプションで「3倍速ボード」というインターフェースボードが別途販売されたりもしたほどだ。またメモリも極小だったしイメージスキャナの能力も現在とは違っていた。したがって一部のプロフェッショナル以外は無謀なことと考えられていたのも事実なのだ。

問い合わせてきた販売店のMacintoshにどれほどのメモリが搭載されているのか、機種はなんなのかはともかく、確認できる環境があるにも関わらず安易に他者に問い合わせるというのでは失礼ながら顧客に対する対応も目に見えるように思えた。

 

繰り返すもののこれが個人ユーザーでこれから一式を取りそろえようかと考えている場合ならある意味当然の質問だと思うし、販売店だとしても機材環境もなくまったく未経験のことなら仕方がないと思う。しかし販売側で確認出来るにもかかわらず100%他人の褌で商売をしようとするのは市場を貶めることにならないか...。

「時間がかかる」といっても半日かかるわけではないのだから怠慢といわれても仕方がないだろう。販売店ならユーザーの知りたいことはもとより、利用環境のポイントをしっかりと把握してサポートするのがひとつの役割だと思うし、その積み重ねがユーザーの信頼に繋がるはずだ。

 

私は自身がテストしたときのデータから概略のファイル容量と時間を申し上げ、続いて「正確にはスキャンする原稿にもかかわってきますし取り込みの時間はお使いのMacintosh環境により違ってきます。販売店さんならお客様への信頼と責任もあるでしょうから是非ご自身で確認してください」と申し上げて電話を切った。

電話を切った後で私は「(とはいえ)...今の販売店は自分で検証などしないだろうなあ...」と呟いた(笑)。

 

エプソン製フラットベッドカラースキャナGT-4000

ColorMagicianの利用画面例

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