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アップル・ベストプロダクト賞副賞は中古マックだった

1992年の春のことだった。「アップルのTさんからお電話です」の声で私は受話器を取った。

電話の向こうでアップルのマーケティング担当者は「松田さん、おめでとうございます。実は今年の『アップルベストプロダクト賞』は御社の『たまづさ』と『グランミュゼ』に決まりました」と矢継ぎ早にまくし立てた。

一瞬何のことかと分からなかったが、聞けばその一昨年あたりから、その年にアップルの市場に大きく貢献したサードパーティー各社の製品を「アップルベストプロダクト賞」として選定し、表彰することになったという。

 

ともかく実質会社が活動を始めてから2年あまり、賞というものに縁があるとは考えもしなかったので正直嬉しかった。

何しろ業界の総本山アップルから賞をいただけるというのだからその喜びは察していただけるものと思う...。

電話口の声は続き...「近々、認定書と副賞をお持ちしますのでご都合を聞かせてください」とのこと。

なんと副賞はMacintosh本体だという。それもいままで無かった一企業二製品がダブル受賞したということなので、2台のMacintoshをいただけるという話しに私は舞い上がった。

 

しかし個人的にはMacintoshより認定書の方が嬉しかった。

Macintoshに関しては機種はともかく、必要なものは自分たちで揃えられた時代だったがアップルの総本山からいただく賞の認定書はそうそう機会もないだろうし、額に飾って応接室に置こうと先走った思いも浮かんだ。

 

アップルジャパンのデベロッパーマーケティング担当が来社する時が来た。馴染みの方々だったが、私はまず二人の姿に驚いた。車から降りた二人は一体型Mac用のキャリングケースを肩から提げて会社の応接室へ入ってきた。

ベストプロダクト賞の副賞のMacintoshはMacintosh Classic2台だった。それはそれでありがたいことだが、目を疑ったのはキャリングケースから取りだしたMacintoshは中古品だったのだ。

見ればところどころに汚れている箇所がある。

私は顔には出さなかったが、あきれ果てていた。

どこのメーカーに賞品に自社製品の中古品を提供する会社があるのだろうか。

 

それよりがっかりしたのはアップルベストプロダクト賞の受賞認定証だった。

体裁はともかく私は前記したようにある種の賞状をいただけるものと思っていたが、アップルの担当者から渡されたのはLaserWriterでプリントされたアップルジャパンのレターヘッドだったのである。

それも用紙のセットが悪かったのか、些か曲がって印刷されていた。

 

アップルジャパンという会社はまあ、そんな会社だったのである(笑)。

 

 

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