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時代小説「首巻き春貞(十三) 政権移譲」公開

2019年2月1日

期間限定無料配布開始!

オリジナル時代小説「首巻き春貞」第十三巻をお届けする。

早速だが本編に登場する雲助の頭領、松谷久四郎は実在の人物だという。

とある西国大名の剣術指南役を酒が元で失敗し、流れついた箱根でその腕と器量を買われて頭目に祭り上げられた。無論細かなあれこれが伝えられているわけではないが、酒が元で命を縮めたという。

しかし世話になった雲助たちは墓を建ててくれ「あの世でも好きな酒を」と墓には盃と徳利を刻んで供養した。

その墓は街道脇にある駒形諏訪神社手前に「雲助徳利の墓」として現存している。

これほど魅力的な男を取り上げないわけにはいかないと「第九巻 密命」で初めて登場させたが、その後「第十二巻 拝謁」に続き本編ではかなりのページを割いて松谷久四郎の魅力に迫ってみた。

 

とはいえ、本編のタイトル「政権移譲」のとおり、本編一番の軸は吉宗が隠居したことで第九代将軍德川家重が誕生したことだ。

将軍家重が誕生するまでには弟たちとの確執は勿論、老中松平乗邑により廃嫡されそうになったりと幾多の困難が立ちふさがったことは史実である。

無論その要因の大きなこととして、家重には生まれながらの言語障害があり、身体も弱くまた小便公方と揶揄されるほど頻尿であったために出向く先々に便所を設けるなどしなければならなかったことが挙げられる。

ために普段は奥に引き籠もってばかりいたが、人物を見極める優れた能力を持っていたし、ポイントはきちんと押さえて命を出していたようだ。

しかしこうした健康上の問題から知能にも問題がある人物と受け取られやすかった。

また「酒色に溺れた」とも言われたが、確かに酒乱気味で酒に溺れた感はあったものの色に溺れた気配はないという。

なぜなら側室は二人だったし、子供も二人しかいなかった。

こうした誤解が多い家重が将軍になる過程では多くの混乱があったものと思われる。

本小説では主人公春貞の諌言で吉宗が次期将軍に家重をと決断したことになっているし、次男の徳川宗武を推した老中松平乗邑との闘いも描いた。

 

さて、本シリーズも十三巻目をお届けすることになったが、時系列にストーリーを紡いでいくのは次巻十四巻「死去(仮題)」で完結にしようかと考えている。

もともと小石川養生所を舞台に始まった「首巻き春貞~松平春貞一代記」だが、主人公の春貞は当然としても八代将軍吉宗の存在、そして大岡越前守忠相の存在が不可欠だった。

しかし一七五一年というから本巻の時代から六年後に吉宗は亡くなり、それを追うようにして忠相も死ぬ。であれば舞台設定の大道具を奪われた感じもして筆者としては意欲を失わざるを得ないからだ。

一方、できることであれば吉宗が亡くなった後、三〇年ほど経った時代を描いてみたいとも思っている。

なぜなら十代将軍家治に重用された田沼意次が側用人だった明和四年(一七六七年)から天明六年(一七八六年)あたりの時代は商人の力が強くなると共に蘭学が盛んになり、平賀源内のような自由人が登場するわけで、時代小説の舞台として大変面白そうだ。

またそうなれば主人公松平春貞は七八歳ほどになっているはずで、ネタバレのようだがこれまで回りにいた愛すべき家族たちの多くはすでに亡く、孤高の天才老剣士が主人公というのも筆者にとって興味津々なのである。

無論どういうことになるかは筆者自身にもまだ分からないが、興味の向くままに筆を進めてきた本シリーズも何らかの結末を用意しなければならない時期に来たといえる。

 

                                                        2019年2月1日

                                東京都多摩市の自宅兼仕事部屋にて

                                           松田 純一

 

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                            2019年2月1日 一刷発行

 

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