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時代小説「首巻き春貞 江戸暦(一)蘭学事始異説」公開

2019年4月25日

期間限定無料配布開始!

 鎖国の江戸中期、史上初と言ってよい本格的な西洋医学書の和訳に無謀にも挑戦した男たちがいた。足掛け四年の歳月の後、その努力は「解体新書」として結実する。

 しかしその想像を絶する苦難は翻訳そのものだけに留まらずそれぞれの人生を大きく変えた…。そして実は我らの松平春貞は彼らの影の庇護者でもあったのだ。

 とまあ、本編は本当に楽しみながら書いた。

 ただし一言最初にお断りしておきたいことがある。

 本作品は完全なる独立作品ではなく、これまで十四編続いた「首巻き春貞~松平春貞一代記」の流れを組むものだ。したがって時折といおうか多々過去の話が出てくる。

 もし本編からお読みいただいたという方がいらしたらご面倒ながら旧作にもお目を通していただくことをお勧めしたい。

ということで、時代小説「首巻き春貞」は筆者自身考えもしなかった壮大なる物語になった感があるが、本編はこれまでのように主人公春貞が縦横無尽の活躍をというより時代の傍観者に徹してみようかと考えた末の作品である。

 

 思えば第一作「首巻き春貞~小石川養生所始末」は申し上げるまでもなく小石川養生所という医療施設を主な舞台としてスタートしたが、本編は我が国で蘭学が起こるきっかけともなった「解体新書」誕生のドラマを主軸にしたわけで、江戸時代の医療・医学が中心のテーマである点は変わっていない。

 無論歴史の事実として杉田玄白や前野良沢が骨が原で腑分けを見学し、それをきっかけとし、艱難辛苦の末にオランダ語の「ターヘル・アナトミア」を翻訳し「解体新書」を出版したことは教科書にも載っている事実だ。

 この辺の経緯に関しては晩年に玄白自身が筆をとった「蘭学事始」に詳しいが、「解体新書」や「蘭学事始」には幾多のミステリーというか不明な箇所もある。

 例えば、最大の貢献者であったはずの前野良沢の名が記されていないことは勿論、杉田玄白の屋敷に北町奉行所から町奉行の使いが来て明日腑分けがあるので来ないかとの誘いがあったのも思えば不思議な話ではないか。

 「蘭学事始」にはそれ以上の詳しい事は記されていないが、そもそも小浜藩の奧医師であったとはいえ一介の蘭方医であった杉田玄白になぜ腑分け見学の誘いがあったのか…。

 そもそも腑分けはそんなに珍しいことではなかったようだが、奉行所に申し込めば医者なら誰でも容易に見学できるものだったとは思えない。もしそうなら玄白や良沢はとうの昔に実行していたに違いない。

 そこで小説では独自の解釈をしてみた…。

 

 面白いもので主人公春貞の目を持って杉田玄白や前野良沢あるいは平賀源内らを見ていると筆者自身がその場に参加しているような錯覚があって楽しい。

 そうした執筆の過程で資料として幾多の書籍類を手に入れたが一番は国公立所蔵史料刊行会編「日本医学の夜明け」(一九七八年六月刊)だった。これらはいわゆる「解体新書」「蘭学事始」そして「ターヘル・アナトミア Ontleedkundige tafelen Johan Adam Kulmus著 Gerardus Dicten訳(1734年刊)」などのレプリカセットである。

 さらに一九七三年に「解体新書」発刊二百年記念として限定3000部作られた全五巻のレプリカも手に入れた。これは保存状態が良かったのか未使用同然でかび臭くもない。

 

 ということで今回の小説にはいくつかそれらの写真を加えてみることにした。ファイル容量が大きくなるのは欠点かも知れないが、少しでも理解を深め雰囲気を味わっていただけたらと願ってのことだ。

 お楽しみいただけたら嬉しい。

 

                 東京都多摩市の自宅兼仕事部屋にて

                         2019年4月19日

                                     松田 純一

 

 

■使い方

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                           2019年4月25日 一刷発行

 

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